結束バンドは電気ケーブル等をまとめるのに使用されていた部材ですが、一度バンドを締めると緩むことが無いという特性が注目されて今では一般家庭でも用いられるアイテムになりました。
「トラッキング」という特殊な突起になっているのでバンドが緩まずしっかりと固定することが可能です。この結束バンドは日本で生まれたアイテムで、世界各国に普及するに至りました。現在は文具・生活・スポーツ用品にも使われていますが、医療用品としても活用されています。医療用品の場合は入院患者の氏名・病状を記して患者の手首に取り付けるID名札と、心臓血管のパイパス手術に用いる手術用品の2つになります。
ID名札の場合は患者の取り違えを防ぐ目的があり、入院中は患者自身で名札を取り外せないようにするために結束バンドの特性が生かされているといえます。心臓血管のバイパス手術で使用する結束バンドは一般的なポリ塩化ビニール製ではなく、人体に溶け込む特殊な素材で作られているものです。
バンドの特性はそのままではあるものの、名称は「インシュロック」と呼ばれています。以前は縫合用の糸で血管をつないでいましたが、より短時間で手術を終わらせるための医療用品としてインシュロックが主流になりました。一度バンドを締めたら緩まないという特性が活用範囲を広めることになり、日本生まれのアイデア商品の中でも特に知名度と使用用途に長けているのが結束バンドであるといえます。